目的を持っていないと、ただ単に浮浪しているに過ぎなくなる。以下のような人がいる。大学で学校の勉強に力を注ぎ、主席で卒業、その後、大企業へ入社した。在学中は朝から晩まで勉強し、誰もがその勤勉ぶりに驚き感心していた。この彼の行動は目的があれば、大したものだが、無かったら大したことはない。勉強することで様々な知識を吸収し、目的を見つける可能性が高まるという観点からすれば良いことだ。そうでなかったら、在学中サークルで飲み明かしてばかりの学生と変わらない。

トヨタの製品に憧れて、トヨタに入り、その事業に関わっていく。何十年か働き、自分の考えや個性が製品に反映されれば、これ以上のやりがいはないだろう。また、仕事もそこまで激務ではなくプライベートも充実できるであろう。そして、こういった大規模な事業は少人数でできるようなものでもないし、大資本が要る。世界的に大きな事業に関わりたいなら、こういった大きな会社に入るのがいいだろう。

大企業では、正直、クリエイティブで自分の色が良く出たことを行うのは難しい。個人名を売れるようなことは難しい。組織がでかくなると、少しでも個性を出して目立とうとすると、それが原因で全体が崩れてしまうおそれがあるから極力それを排除するようになる。それ故、みんな集団行動をしなくてはいけなくなる。

一方で、自分の個性を出して、世の中に影響を与えていきたいなら、自分で起業するのが一番だろう。ただし、そのアイデアや、絶対にこれを世の中に広めたいというものは、そう簡単には見つからない。だから最初は現実的に企業に勤めながらそれを模索する必要があるかもしれない。資金があるなら留学とか旅をしてもいいだろう。まあスキルも身につけなくてはいけないから何となく方向性が分かっているなら、その方面の会社で働くのがいいだろう。

もう一つの選択肢は、とりあえず、優秀な人がすることを真似るというのは悪いことではない。優秀な人がいる会社に就職すれば優秀な人に囲まれて仕事ができ、成長するかもしれない。でも、その時の成長ってなんだろうか。たいてい優秀と言われる会社にいる人たちの特徴って頭の回転が速い。ルックスがいい。喋りがうまい。社交的。などだろうか。たしかにそういう人に囲まれていればそのようなスキルは伸びるだろう。それが将来どの程度起業に結びつくかは分からない。

いずれにしても、目的が明確ならば、自分の進む道が自ずと見えてくる。目的がないなら、何となく興味のあるほうへ行くか、成長できそうなところで、じっくり自分の目的を探すのがいいだろう。

実はここに、日本の問題がある。

よく言われる日本人の若者のレベルの低さの問題は、環境にある。日本はもう過去に成功してたからハングリー精神がなくなっている。留学にいって、海外の学生のハングリーさにおどろくのは、たいてい途上国の出身者だろう。普通に日本で育ったら、日本の将来を背負うという意識は育ちにくい。その反面、勢いある中国で育ったエリート層は、自国の成長の中で課題を見つけたりやることがいっぱいあるため、沢山学びどんどん優秀になっていく。

日本は、豊かな生活が送れるから、あまり目的を見出すのが難しいのだ。だからもっと外国に行き、地球規模の問題意識を持たなくてはいけない。そうすれば課題は山積みだ。