9ヶ月ちょっとぶりに上海から東京に一時的に帰ってきた。既に1週間ほど経ったので若干薄れてきたが、その感動は今でも忘れない。毎度のことだが、コンビニは世界一だろう。商品の陳列の綺麗さ、掃除の行き届き具合(結構細かいところのホコリとかも綺麗にしてある。)、コンビニのパンとか弁当が美味しい。
あと、やっぱり日本の治安の良さは凄い。なんといっても表面上は日本はみんな中産階級であり、そこそこの暮らしをしていることが大きい。(見えないところで貧困で苦しむ方々がいるのは社会問題だが)外に出てもみんなきちんとした身なりをしているし、いちおうきちっと行動している。(これも実は、精神的には変な人が多いのも問題w)それらはやっぱり中国やアメリカのようなあからさまな格差社会とは違う。
中国で街に出たり電車に乗ったりすると、地方からの労働者(農民工)とか貧しい人たちが沢山いる。ぶつかっても謝らないし、ツバ吐きまくるし、大声で話すしマナーという概念がない。また、これはこちらの誤解かも知れないが隙あらばスリをしてくる匂いがプンプンしているやつもいる。他にもタクシーとかキャッチでは明らかに法外な金額を請求してぼったくろうとする人たちも多い。そして、ちょっと脱線するが、雨が降ればいくら上海でもそこら中に水たまりができ、地下移動のインフラも弱いために不便。
要するに、中国では街に出ると油断できない。まあ、これが普通であり大自然の環境からしたらぬるいほうだけど、日本という全てが人口的にやさしく設計されやさしい人たちで満たされた社会に慣れると家畜化してしまう。動物園の動物みたいな感じ。まあでも野生に戻る必要がないならそれでもいいけど。
さて、本題なのだが、上述の素晴らしさを突き詰めてみるとやっぱりそれらを作っている日本人になる。日本人というのは凄い。島国であり、メディアが統制され、全国で統一的に同じような価値観を持つ。代々の親たちや街のおじさんやおばさんが子どもたちにしっかりと日本的な礼儀や気配り、協調性を刷り込むために、教えたり時には叱る。学校でもそのように教えられる。こうして、人には迷惑をかけず相手を想い合うことができる暖かい日本人が全国に根付いていくわけである。
これは、他の国がやろうと思ってもできない。メディアを統制したりできないし、第一、「性悪説的に人に多少悪いことしても自分が生きていかなくてはいけないという現実的な態度を持つ人」の割合が一定程度いればこのような日本人的基質を育てることはできない。なぜなら、そういう性悪説的な人が多いところで少数が性善説でいきたらカモられて終わるから。でも日本は長い歴史をかけて、そして稲作中心の小規模農業など自然的にこのような態度が各地で広まり結果的に全国に根付いたという奇跡の軌跡を持つ。
今回もコンビニや地下鉄や街角でその秩序や清潔な環境に感動したが、もとを正せば日本人なのである。たしかにスーパーのレジやどこの小売の店員にしてもそのおもてなし精神は凄かった。(中国から戻ったからそう感じるのだろう。)日本には地中海周辺、ギリシャとかイタリアみたいなとてつもなく美しく優雅な世界遺産は正直、存在しない。しかし、こうした街のそこら中に存在する秩序やおもてなしの心、こうしたものを体験するのは物理的な観光地とちょっと違うが世界的にとても貴重で一見の価値おおありの観光資源である。