記述の基体(がらくた)

【ブログ】日々の思ったことを徒然なるままに書いております。基本殴り書きで校正しておりません。【世界観】人は動物のように本能で現実に向き合っているのではなく、言語を通じてのシンボル体系としての世界、その世界の中の私(自我)という物語で現実にしがみついている。【取り組み】(1)現をよく存在させたい。そのためのよりよい社会や世界に向かう。(2)卓越した創作をしたい。そのためにはより多くのゲシュタルト(パターン・観念・概念)を獲得→世界でよく行動し、読書。【価値観】結局は「朋あり遠方より来たる、また楽しからずや」【プロフィール】東京出身のアラサーです。※著作権についてはオプトアウトに対応させていただいております。何かに共感された方はご連絡ください。 【コメント欄へのフィードバックお待ちしております。個人的な質問、反論、脅迫などはTwitterへお願いします。】

カテゴリ:中国 > 「クールジャパン」とその市場としての「中国」


真理を誰もが探求したことはるだろうか。絶対的に正しいこと、みたいなニュアンスがあるだろうか。辞書によると、「思惟と存在あるいは認識と対象との一致。この一致については、いくつかの説がある。」となっている。だいたい誰もがこんなイメージだろう。

そこには大きな見落としがある。

客観的世界として、時空間があり、その中に自分が位置しており、客観的世界を認識している。ときには疲れたり、邪魔が入ったり、調べたりなかったりで客観的世界を正しく認識できないが、頑張れば認識できる、というようなゆるい世界観。

しかし、これがそもそも間違っている。

僕らの世界は実存の世界であり主観的だ。この主観から僕らは抜け出せないし、自分で確実に分かるのは主観のことだ。ここを出発点にしなくてはならない。客観的世界がある、と思うのも主観である。

われわれはいろいろな主観的体験を重ねる中で主観の中に世界観を築いていく。

では、「真理」とは何か。

最初の定義のような「客観の対象に認識が命中すること」が真理である、ということは今説明したように原理的に間違い。

では、それでも僕らがもっている「真理」の感覚とは何か。

それは、普遍性である。

「ずっと驚きなく調和して情報が安定していること」「他者も納得すること」ということ。

前者は、ようはあらゆる角度から調べてみてもある一つのものと確信できる、ということ。後者は、何かに対して他者みんなが同じものだと理解すること。

これは、われわれの身体がキーワードとなる。

しかし、厳密にうと、二人が完全に同じ意見を持つには、完全に同じ情報に接してないと無理。

ブラジルと日本の人が、りんごというものの定義で一致できるのは、だいたい同じような環境に生きているからだ。 

今後「gumiショック」と言われるだろう重大な決算発表があった。上場後たった3ヶ月での超大幅な下方修正、さらに30億円の借り入れ。ベンチャーキャピタルも経営陣も上場時にかなりの額を売り出していた。上場前に、進行中の四半期の決算予想が達成できない可能性を把握していたはずである。以下の情報によると、経営陣のほとんどがその持ち株を売却している。

國光宏尚(gumi社長):4%売却 
川本寛之(gumi取締役):80%売却
三川剛(gumi取締役):20%売却
今泉潤(gumiWest社長):40%売却
参照:http://blog.livedoor.jp/itsoku/archives/43681101.html

全員、ここでゴールデンパラシュートを用意し終わった。特に一番会社の資金情報に詳しい川本CFOにはあっぱれ。残念だが、証券会社、起業家やベンチャーキャピタルへの、市場の不信感が生まれる。

個人的に國光氏の志の高さとグローバルな視点での経営に好感を持っていたので、上場時に株式を売却していたことは遺憾である。他の役員が株式売却する中、一株も売らない姿勢を示していれば、他の既にモチベーションが失われた役員が抜けても良い人材が集まるかもしれなかった。ちなみに株式売却してリタイヤみたいな役員を批判しているわけではない。努力が報われた結果であり、合理的な行動だと思う。しかし、個人利益より従業員、社会など公の利益を重んじる男気のなさを露呈した、というだけの話。

しかし、目先の小さな利益にとらわれてしまったのは惜しい。男気をみせてほしかったが残念だ。このあたりはソフトバンクの孫正義社長や楽天の三木谷浩史社長との差なのかもしれない。國光氏のビジョンと戦略は正しいと思うが、それを実行できる組織はかなり不安定になったのは事実。莫大な資産をものにした”大志のない経営陣についてくる優秀な従業員”はいないだろう。ここから戦略をget thing doneするためにはトップの熱意だけが問われることになる。株を買い支えようとは思わないが個人的に応援している。 

映画について調べている流れで自分の住んでいる中国の映画ビジネスの現状も調べてみた。超ざっくりいうと、他業界と同じく人口規模にふさわしいくらいに凄まじい勢いで映画業界は成長しているが、まだ市場が効率化していない。これからまだまだ効率化し成長、さらにその資本を武器に海外へ出て行くと思われる。逆に海外が中国に入る余地はそこまでなさそうだ。

■映画市場規模(興行収入)
2012年中国が日本を追い抜き米国に次ぐ世界第2の映画市場になった。2013年の映画興行収入総額は、217億6900万元(約3564億8300万円)であった。内、中国国産映画興行収入が全体の6割に当たる、127億6700万元(約2090億6200万円)を占めている。

中国では2014年の上半期の興業収入が、前年同期より23%アップして135億元(約2700億円)になったとのこと。単純計算すれば2014年は5000億円規模になったということだ。中国の映画市場は2010年から「100億元(約2000億円)時代」に突入したが、その目覚ましい成長がこの数字でも見て取れる。 中国映画市場における最高記録は2010年の米映画「アバター」が打ち立てた13億7800万元(約226億円)。
参照:http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20140606-00010010-cnpress-nb

■主要プレイヤー
中国の五大民間映画会社である華誼誼、光線、万達、博納、楽視の5社は2014年の中国映画興行収入の約58%を占めている。

■年間映画製作本数
2013年は638本。教育用映画本数が121本。アニメーション映画が29本。記録映画が18本。その他特殊映画が18本となっている。2013年、中国の映画製作本数は大幅な減少傾向を示している。

2013年の年間映画製作本数は638本で、2012年と比較して107本減少したが、1億元(約17億3200万円)の興収を超えた国産映画は33本で、昨年より12本も増加した。これと同時に、2013年は「アイアンマン3」や「パシフィック・リム」、「ゼロ・グラビティ」などのハリウッド映画が世界中でブームを巻き起こすなど海外映画の勢いがあったにもかかわらず、中国市場では興収ランキングトップ10の作品中、7本が国産映画だった。

■特色
政府規制もあり、国産映画のシェアが市場全体の58.68%を占める。

■観客動員数
中国 4億6000万人(2012)
アメリカ 約14億人。(世界第2位)2008年
インド 29億1700万人。(世界第1位)2009年

■1人あたりの年間入場回数
中国約0.5回
インド約3回
アメリカ約5回

■スクリーン数
中国は2万285枚(2014)※2007年のスクリーン数は3527。
中国2014年4月時点での映画館数は4545軒、総スクリーン数は2万285枚に達している。スクリーンの内、IMAXデジタルシアターが146枚を占める。

インドは1万2000枚(2009)※市場規模は2300億円。(世界第2位)
アメリカは約4万(2008)

■ハリウッド映画産業への展開
芸恩諮詢の侯涛副総裁は、「中国で多くの映画制作企業は海外開拓を目指す。今はちょうどハリウッドと連携する時だ。資本連携の増加は、ハリウッドとの関係緊密化に役立つ。経済利益があるが、長期的にみると、ハリウッドの成熟した経験、進んだ映画制作プロセス、工業化の制作システムを学ぶことは長期的利益がある」と言う。

  • 万達が2012年に、31億ドルで世界2位の米映画館チェーンのAMCを買収したことで、中国企業のハリウッド進出は始まった。万達が100%投資したハリウッド映画「Southpaw」の撮影は2014年6月16日にピッツバーグで開始され、2015年の春に公開される見込みだ。ハリウッドの映画経験を学ぶためだという。
  • 百度。百度の李彦宏CEOがAquamenエンターテインメントというロサンゼルスの映画制作会社に投資し、「悟空」というハリウッドアニメ映画を共同で制作することが2月に明らかになった。
  • 光線伝媒などもハリウッド進出に乗り出した。光線伝媒は6月に、陽光七星娯楽媒体集団と折半出資して上海明星影業有限公司を創設し、海外市場に向けて高品質の映画を制作すると発表した。陽光七星娯楽媒体集団の呉征総裁によると、光線は海外路線を歩み、七星娯楽は光線を通じて映画の共同制作を目指す。
  • 復星集団は2014年、スタジオ8に投資する形でハリウッドに進出すると発表した。
参照:http://news.livedoor.com/article/detail/8997354/

■課題
中国の娯楽産業調査会社である芸恩咨詢(EntGroup)がこのたび発表した最新データ「2012-2013中国映画産業研究報告」によると、2012年に製作された中国の劇映画(フィクション映画)は745本で、うち全体の31%に当たる231本しか劇場で正式上映されなかった。しかも、この数字は近年で最も高い比率だという。この情けなくなるようなデータが生まれた背景には、星の数ほどいる映画関連事業者や数十系列の映画館チェーン、絶え間なく拡大する関連産業がある。

映画の質がバラバラで、評判と興収が釣り合っていない」と語る。この現象は中国映画にとって核心となる創作力の弱さという問題点を浮かび上がらせており、似たような映画が数多く製作される中、多様性のある映画を創作するなどの点でより一層レベルを高める必要がある。これ以外にも、中国映画のデジタル製作技術は明らかに遅れており、関連技術を持つ人材も欠けている。映画技術の水準および管理体系も整備されておらず、経済利益が優先される中で製作される偽3D映画への効果的な規制も行われていない。
参考:http://j.people.com.cn/206603/8173742.html

昨日、映画の魅力について書いたのだが、今回はビジネス的にみてその金額に関するデータをざっくりみてみよう。以下、(1)世界の映画市場規模、(2)世界の映画製作費、(3)映画の興行収入、(4)その他の数字について。
 
(1)世界の映画市場規模(興行収入)
(日本)
日本は1990年以降、約1500億円〜2000億円程度で推移している。

(北米)
2012年にアメリカ・カナダで108億ドル(8728億円)。その後も成長しているようだ。2020年には中国に抜かれるとの予想も。

(中国)
2012年中国が日本を追い抜き米国に次ぐ世界第2の映画市場になった。中国では2014年の上半期の興業収入が、前年同期より23%アップして135億元(約2700億円)になったとのこと。単純計算すれば2014年は5000億円規模になったということだ。中国の映画市場は2010年から「100億元(約2000億円)時代」に突入したが、その目覚ましい成長がこの数字でも見て取れる。 中国映画市場における最高記録は2010年の米映画「アバター」が打ち立てた13億7800万元(約226億円)。

(2)映画製作費
歴代ランキングを見ると、1位のパイレーツ・オブ・カリビアンの約341億円を筆頭に多額の制作費がかけられている。一方、日本が得意とするアニメはその製作費がめちゃめちゃ安く見える。以下にハリウッドアニメも含めて列挙。続けて世界の歴代高額制作費ランキング。

【劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲】
制作費 3億5000万円。

【魔女の宅急便】
製作費 4億円。

【おもひでぽろぽろ】
製作費 8億円。

【映画 AKIRA】
制作費 10億円。

【もののけ姫】
製作費 20億円。
公開日 1997年。

【千と千尋の神隠し】
製作費 20億円。

【宇宙海賊キャプテンハーロック】
製作費3000万ドル(約27億円)。
2013年9月公開CGアニメ映画「宇宙海賊キャプテンハーロック」東映アニメ史上最高の製作費3000万ドル

【ハウルの動く城】
うわさでは制作費は,約30億円。

【かぐや姫の物語】
製作費 51.5億円
製作期間8年

【ファインディング・ニモ】
製作費9400万ドル(約72億円)

【アナと雪の女王】
製作費150億円

【トイストーリー3】
製作費2億ドル(約154億円)

【映画ファイナルファンタジー】
製作費 167億円。
当時No1赤字額としてギネスに乗っているらしい。

【塔の上のラプンツェル】
製作費 約221億円。

歴代の高額映画製作費ランキング(2014年8月)

「ビジネス・インサイダー」誌が発表。

 1位「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」(2007)

  制作費:3億4,180万ドル(341億8000万円)

  世界興行収入:11億ドル(1,100億円)

 2位「クレオパトラ」(1963)

  制作費:3億3,950万ドル(339億5000万円)

  世界興行収入:4億4,580万ドル(445億8000万円)

 3位「タイタニック」(1997)

  制作費:2億9,430万ドル(294億3000万円)

  世界興行収入:32億0,000万ドル(3,200億円)

 4位「スパイダーマン3」(2007)

  制作費:2億9,390万ドル(293億9000万円)

  世界興行収入:8億9,090万ドル(890億9000万円)

 5位「塔の上のラプンツェル」(2010)

  制作費:2億8,170万ドル(281億7000万円)

  世界興行収入:6億4,110万ドル(641億1000万円)

 6位「ハリー・ポッターと謎のプリンス」(2009)

  制作費:2億7,530万ドル(275億3000万円)

  世界興行収入:10億ドル(1,000億円)

 7位「ウォーターワールド」(1995)

  制作費:2億7,130万ドル(271億3000万円)

  世界興行収入:4億0,960万ドル(409億6000万円)

 8位「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」(2006)

  制作費:2億6,370万ドル(263億7000万円)

  世界興行収入:12億ドル(1,200億円)

 9位「アバター」(2009)

  制作費:2億6,100万ドル(261億円)

  世界興行収入:31億ドル(3,100億円)

 10位「ホビット」(2012)

  制作費:2億5,720万ドル(257億2000万円)

  世界興行収入:10.5億ドル(1,050億円)

 10位「ダークナイト・ライジング」(2012)

  制作費:2億5,720万ドル(257億2000億円)

  世界興行収入:11億ドル(1,100億円)

 10位「ジョン・カーター」(2012)

  制作費:2億5,720万ドル(257億2000億円)

  世界興行収入:2億9,240万ドル(292億4000万円)

(3)全世界歴代映画興行収入 
世界の映画の興行収入ランキング。1位がアバターの27億ドル。約3000億円。これは一つのコンテンツとしてはコンテンツ業界全てでもトップなのではないか。今、モバイルゲームが世界中でバブル状態であるが、世界一儲かっているっぽいガンホー社のパズルアンドドラゴン(パズドラ)でも未だ累計3000億円は到達していないだろう。(一時期、一ヶ月で100億円の売上を上げていたが。)

ちなみに日本の2009年の情報をちょっと紹介。世界のランキングに全く入る気配がないのが分かる。
2009年公開された邦画は、448本
興行収入10億円以上の邦画は、34本
話題となった「おくりびと」(08/9月 松竹配給)は、64.6億円

2009年上位5位は、
 1位 85.5億 
 「ROOKIES-卒業-」 東宝 5月公開 
 2位 46.7億 
 「劇場版 ポケットモンスター ダイヤモンド・パール アルセウス超克の時空へ」東宝 7月公開 
 3位 44.1億
 「20世紀少年<最終章>ぼくらの旗」 東宝 7月公開 
 4位 40.0億
 「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」 クロックワークス 6月公開
 5位 36.5億
 「アマルフィ 女神の報酬」 東宝 7月公開
 
以下、Top30。日本の映画は全然入っていない。
http://forest-cat.com/boxoffice/boxoffice1.php

順位 タイトル 全世界興行収入 全米公開日
001 アバター 27億8227万ドル 2009/12/18
002 タイタニック 21億8537万ドル 1997/12/19
003 アベンジャーズ 15億1175万ドル 2012/05/04
004 ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2 13億2811万ドル 2011/07/15
005 アナと雪の女王 12億3261万ドル 2013/11/22
006 アイアンマン3 12億1316万ドル 2013/05/03
007 トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン 11億2374万ドル 2011/06/29
008 ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 11億1911万ドル 2003/12/17
009 007/スカイフォール 11億0856万ドル 2012/11/09
010 ダークナイト ライジング 10億8103万ドル 2012/07/20
011 パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト 10億6617万ドル 2006/07/07
012 トイ・ストーリー3 10億6317万ドル 2010/06/18
013 パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉 10億4387万ドル 2011/05/20
014 スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス 10億2704万ドル 1999/05/19
015 アリス・イン・ワンダーランド 10億2429万ドル 2010/03/05
016 ホビット 思いがけない冒険 10億1700万ドル 2012/12/14
017 ダークナイト 10億0192万ドル 2008/07/18
018 ハリー・ポッターと賢者の石 9億7473万ドル 2001/11/16
019 怪盗グルーのミニオン危機一発 9億7076万ドル 2013/07/03
020 ジュラシック・パーク 9億6974万ドル 1993/06/11
021 パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド 9億6099万ドル 2007/05/25
022 ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 1 9億5450万ドル 2010/11/19
023 ライオン・キング 9億5158万ドル 1994/06/15
024 ホビット 竜に奪われた王国 9億5041万ドル 2013/12/13
025 ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 9億3821万ドル 2007/07/11
026 ハリー・ポッターと謎のプリンス 9億3395万ドル 2009/07/15
027 ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 9億2528万ドル 2002/12/18
028 ファインディング・ニモ 9億2171万ドル 2003/05/30
029 シュレック2 9億1983万ドル 2004/05/19
030 ハリー・ポッターと炎のゴブレット 8億9592万ドル 2005/11/18
(4)その他数字
■年間映画制作本数
アメリカ
2006年:673本
2007年:656本
2008年:520本
2009年:694本

インド
2009年:1288本 (総務省)
2010年:1316本
2011年:1347本

中国
2013年 
638本。教育用映画本数が121本。アニメーション映画が29本。記録映画が18本。その他特殊映画が18本となっている。
 
■観客動員数
アメリカ 約14億人。(世界第2位)2008年
インド 29億1700万人。(世界第1位)2009年
中国 4億6000万人(2012)

■1人あたりの年間入場回数
インド約3回。
アメリカ約5回。
中国約0.5回くらい。

■スクリーン数
中国は2万285枚(2014)
インドは12000枚(2009)※市場規模は2300億円。(世界第2位)
アメリカは約4万(2008)

以上。映画はコンテンツ業界でもビジネス規模がダイナミック。社会へ人への影響も強大。

先日、gumiが東証一部に上場した。上場前にも100億円くらい資金調達しており、グローバルでのアプリ開発やパブリッシングを強化しているようだ。日本初の海外で活躍できるIT企業として期待したいところである。代表取締役社長である国光宏尚氏は、中国の復旦大学を卒業しているので、中国市場には特別な思いがあるのではないだろうか。今回、gumiの中国事業についてネット上の情報で現状を調べてみた。

株式会社gumiは2007年に国光氏により設立され、2012年から韓国やシンガポール、香港、中国と海外進出を始めている。2012年5月に中国支社である谷米信息技术(上海)有限公司(以下、「gumi中国」)を設立している。主に日本向けのアプリ開発、日本のゲームの中国市場向けのローカライズを事業の軸にしており、その他中国のパブリッシャーと日本のゲームの代理や、自社でのパブリッシングもやる方針に見える。

設立から今まで正直、特に成功といえる実績はないようだが、目立った動きとしては以下。
  • 2013年9月にgumi中国が制作した「竜王と勇者アレン」が日本でリリース
  • 2014年4月に「ブレイブフロンティア」が中国のパブリッシャーのchukongによりリリース

これまで以下のタイトルを中国でgumi中国が代理や自らパブリッシングしている。
  • 勇者前线(ブレイブフロンティア)         パブリッシャー: chukong触控(Coco)
  • 新勇者前线(新ブレイブフロンティア)      パブリッシャー:Gumi
  • 勇者世界(ソードクロニクル 世界樹の秘宝)  パブリッシャー:盛大(ShandaGames)

こちらのブログに記載している通りどれも定常的に100位外でほとんど売上が上がっていないようである。察するところ、中国の大手パブリッシャーであるchukongとうまく提携できずに、グダグダになって契約解消し、再度カルチャライズを行い自社でリリースし、さらに失敗してしまったようだ。また、自社開発の日本向タイトルも日本ではパッとした成績はだしていない。現在は、白猫プロジェクトのカルチャライズに取り組んでおり、近々gumi中国がパブリッシングするようだ。

gumi中国のCEOは日本人の斉藤氏。前回、DeNA Chinaについての記事で書いたのが、日本人経営者に任せると成功の可能性はかなり低くなる。中国のゲームメディアを見ると斉藤氏は中国攻略への熱意溢れ中国語も堪能で業界での交友関係も広いと思われるが、実績を見ている限りでは事業を正しく推進できていないようだ。gumiの代表取締役である国光氏は何かのインタビューで「海外進出は現地人に任せるべき」と言っていた気がするが、何故こうなったのだろうか。以前、このブログでも書いたが日本企業として海外で成功するという熱い思いと現地人に任せるというやり方は相入れにくいものなのだ。ただ、いずれにせよ日本企業が海外進出をして利益を出すのは容易なことではない。粘り強い姿勢が求められる。

前回、DeNA Chinaの中国での7年間をざっくりまとめた。推定70億円くらいの損失を出したようだが、ブランド作りや組織の基盤は出来上がっている。特異で競争激しい中国で着実に結果を出しているのは素晴らしいことだが、しかし7年の歳月とこの損失額は経営としてはかなり厳しいのではないか。ビジネスにおいてタラレバはないが、現地のパートナーをうまく見つけて任せていれば今頃は利益が出ていたのではないか。以下、DeNAの中国進出について吟味してみる。

DeNAの中国進出方法で注目すべきはその経営者であるCEOである。中国の子会社のCEOは誰がやってきたのだろうか。通常、海外支社のトップは、(1)日本本社からの日本人が行くパターン(2)日本本社の従業員からその国の出身者(中国人)が行くパターン(3)現地で現地人パートナーを見つけるパターンがある。後ろに行けば行くほど、ハイリスク・ハイリターンとなる。

DeNAの中国では、2番目の日本本社から中国人社員が派遣され経営を担っているようだ。言ってみれば、中国のCEOは日本をよく理解する中国人。まず、中国子会社設立からの初代CEOは王勇氏。このサイトから以下に経歴を引用。

王勇氏は日本で大学を卒業後、日本最大のモバイル企業NTT DoCoMoで4年間の経験を積んで中国へ戻った。次いで日本最大のモバイル広告代理店の中国支社で運営業務を担当、以後渡米してMBAを取得し、自ら会社を設立する。当時運営していた主要サービスがDeNAときわめて類似していたため、DeNAから中国市場の開拓業務を担当するよう乞われ、彼は2009年に中国へ戻りDeNA Chinaを率いることとなる。

その次の2014年2月からCEO(それまでは副総裁)となった任宜氏はこちらの記事によると、「東京大学卒業後、日本の大手コンサルティング会社を経てDeNA中国事業に参画した」とのこと。

お二方とも日本での生活が長く(幼少期からなのかは不明)日本人とのコミュニケーションはスムーズだろう。中国語はネイティブだろうが、長く中国を離れているので中国人のエートス(行動様式)が身についてなく、また中国ゲーム市場での経験がないことから能率的な事業推進力は着任時は低かったと想定される。

日本をよく理解している人物に任せる利点としては、
  1. 日本語でスムーズにコミュニケーションできる
  2. 日本人が分かる説明や資料を提供できる
  3. 日本本社からの指示をちゃんと守る
  4. 日本本社の暗黙のルールを理解していてちゃんと守る

しかし、その反面、以下のメリットを享受できなくなる可能性が高い。
  1. 中国人の考え方が分からない、分かっても行動できない
  2. 中国人の強固なネットワークに入れない
  3. 中国の業界での事業推進の方法が分からない(知識てなエピステーメーは理解できても、実際にやる場合は言語化できないテクネーも必要)
  4. 中国の優秀な人材を惹きつけられない
DeNAの中国進出は、現地のパートナーに任せるべきだった。彼らが進出したのは、中国のモバイルゲームというある程度ビジネスモデルができている市場である。こういう既存の海外市場に進出する場合、コンサル的な考え方のトップがあれやこれやと分析して課題抽出、実行みたいなやり方は効率が悪い。表面的な分析はできても実際に事業を動かすのは従業員である。一般的にどういうプロモーションをどういう企業とどういう条件で提携するのか、開発の方法は、決済は、ファイナンスは、チームビルディングは、HRは、会計は、などあらゆることでどのような慣習が現場にあるかはその業界に長くいたものしか分からない。これらを畑違いの人物がやろうとすれば、業界でカモられるし、実際に事業推進できる優秀な人材は付いて来ない。
 
しかし、逆に中国の現地のパートナーに任せたら大変なことになる可能性も高い。上述の日本を理解した中国人のメリットが全部なくなってしまう。ちゃんとした状況の報告は日本本社にはしないだろうし、 お互いに理解し合えないモヤモヤした状態が続くかもしれない。そして最悪の場合は、中国投資の資金をリベートや社内の人事をうまく駆使したり等のいろんな方法で懐に入れてしまうことだ。また、日本のIPの版元との関係を悪くするような暴走も考えられる。

では、今後日本企業が中国に進出する場合どうすればいいのか。 そもそも、中国で”信頼出来る”ゲーム業界での実績のあるパートナーが見つけるのは至難の業だ。まず探さなくてはいけない。見つからないことがほとんど。もしパートナーが見つかれば、迷わず彼(彼女)に任せるべきだ。そして日本側での取引先や関係者、経営上に支障が出ないように株を持たせるのは必須。株を持たせれば会社全体としての利益を追いかけるため利害が一致する。そして中国のスピードについていくために非上場企業であるべきだ。一緒に上場やバイアウトなどのエグジットを目指せばいい。もし、上場企業であればそのリスクからDeNA Chinaのようなやり方しか取れないだろう。その意味で、DeNA Chinaは残された方法を着実に実行したのである。多くの損失を出しているが、日本のIT企業が外貨を稼ぐ、それも中国という難度の高い市場、というのは意義のあることである。引き続き成長してほしいと共に、彼らのやり方から上述したような学びをし、他の企業が成長すればいい。 

先日の決算発表でDeNAの守安社長は中国事業について熱く語っていた。DeNAは2007年から既に7年も中国事業を行っているが、果たしてうまくいっているのだろうか。公開データをもとにDeNA Chinaについて調べてみる。設立から今までの事業内容とその結果について見てみよう。

■設立から今まで  〜プラットフォーマーからIPゲーム自社開発へ〜
現在のDeNA Chinaはその公式サイトによると中国での企業名は上海纵游网络技术有限公司(Shanghai Zongyou Network Technology Co., Ltd)といい、2007年9月25日に設立している。もともと中国にあった会社を買収したようだ。以下、2006年の北京支社設立から今までについて。

DeNAは2006年、北京に支社を設け本格的に中国へ進出した。当時、ソーシャルプラットフォームのモバゲーが日本で上々の成果を上げ始めたことで、DeNAは中国でも同様の業務を進めたいと願っていた。
しかし中国の環境は日本のそれと大いに相違しており、中国市場に対する理解も不足していた。2009年、中国が3Gの時代に突入したことをDeNAはひとつのチャンスとにらみ、大規模な対中国戦略投資を敢行することとなる。DeNAはモバイルユーザーから好評だった、中国企業の天下網(天下网)というサイトに投資し、幾度かにわたる融資を続けて進めることで天下網を買収するに至った。
これを元に2011年、DeNAはモバイル分野における戦略的ポジショニングと共に、モバゲースマートフォンプラットフォームを構築、1年ほどの間に望ましい発展成果を上げている。 
(引用元:こちら) 
その後、プラットフォーマーとして中国の競合360、91、当楽などのシェア争いに食い込もうとするが、失敗。2013年あたりから自社開発タイトルを増やし、開発ラインも整え始めたようだ。その後、中国の版権意識が高まり正規版の流れができつつある中、日本のマンガ・アニメのIPを軸とした中国向けのゲーム開発事業に比重を移していく。こちらのブログに詳しく書かれているが、航海王 启航(ワンピース)、变形金刚:崛起 (トランスフォーマー)、NBA夢之隊(NBA正規ライセンス)、英雄战争(MARVEL)などのIPものはApp Storeの売上ランキング上位に食い込むなど徐々に成功の兆しを見せている。ただ、利益が出始めるにはまだまだ時間がかかりそうだ。

■DeNA Chinaの累計の損失額は70億円程度か
DeNAの決算資料から海外営業損益を見ると、2014年度1Q〜3Qで、約30億円の損失、2013年度の1年は約40億円の損失、2012年度4Qだけで約17億円の損失となっている。欧米は一時期単月黒字化したということなので(ただ、恐らく経常的に赤字であるが、そこまでの損失は出ていないと想定)この損失の半分は少なくとも中国からのものだろう。

これらの数字から中国の損失を超ざっくり推定すると、2014年度は約20億円、2013年は20億円、2012年〜2008年は事業規模がそこまで大きくなかったようなので毎年平均6億円として5年で30億円。2007年秋に中国事業を開始してから今までの7年で約70億円の損失を出している。

ちなみに2015年の固定費はいくらくらいかかるのか。決算資料では、現在400名強の規模であるとのこと。人件費を一人平均12000元(約24万円)として24万円✕400人✕13ヶ月で、約12.5億円。オフィス家賃が大体月40万元(800万円)として年間約1億円。合わせて13.5億円。さらに福利厚生や諸々間接費として大まかに10%上乗せして15億円。固定費だけで年間15億円。恐らく最低でもこれくらいかかっているだろう。 さらに今までのようにゲーム運営に係るプロモーションコストなどの変動費は継続して、ゲームからの収入を上回るだろう。

■先行投資は報われるのか?
決算発表でも述べていたが、中国の激しい競争で勝つためにプロモーションや開発に先行投資をするようだ。先日出したワンピースも版元へのロイヤリティとプロモーション費用でかなり赤字が出ているだろう。CCTVなどのTV広告で数億円は使ったはずだ。(ちなみに、業界では何故ワンピースという超有名IPでプロモーションコストを削減できるのにこんなにカネをかけたのか、と言われている。)これまでの何十億円の投資も含めて、これらは今後利益をもたらしてくれるのか。

■DeNA Chinaが築いたもの
累計赤字はとんでもないことになっているが、この7年間で築いたものも大きい。メディアやApp Storeのゲームランキング、ゲーム業界の人材市場を見ていても、DeNA Chinaのプレゼンスはこの1,2年かなり高まった。資本力を背景に、大きさでは中国の大手のゲーム会社と方を並べる。しかし、規模は大きいがまだまだ経営に課題があるようだ。DeNA Chinaの課題については次回書きたい。

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